さて、日中・日韓外相会談が行われたわけですが、各紙の社説を比較。
【主張】中韓との外相会談 違い認め合うことが重要(産経)
中国側が外相会談に応じたのは、日本への内政干渉を続ければ日本国民の反感を招くだけだ、ということに気付き始めたからではないか。
手遅れ。もはや対中感情は最悪のレベルまで達してます。
中韓両国は首脳レベルでも違いは違いとして対話を行うという外交ルールを確立しなくてはなるまい。
無理だな。どうみても。もう一歩。『不当な内政干渉にはそれなりの代償を伴う事を理解してもらうべき』位まで攻めて欲しかった。
[日中・日韓会談]「懸案があるからこそ対話が重要」(読売)
靖国参拝という一事で首脳会談の道を閉ざす姿勢を改めることこそ、「双方の利益」につながるのではないか。
同じことは日韓関係にも言える。
読売ってスタンスがヨクワカランのだが、ここは賛成。
韓国の潘基文・外交通商相は、麻生外相との5か月ぶりの会談で、盧武鉉大統領が先に出した「特別談話」を「真摯(しんし)に受け止めて欲しい」と求めた。
てか、真摯に受け止めたら開戦してもおかしくないぞ、
こんなの。
【主張】中韓との外相会談 違い認め合うことが重要(産経)
日中、日韓の外相会談が中東カタールの首都ドーハでそれぞれ開かれた。
日中は一年ぶり、日韓は五カ月ぶりの外相会談だ。とくに中国側は昨年十月の小泉純一郎首相の靖国神社参拝後、首脳会談だけでなく、外相会談にも応じようとしなかった。それどころか、胡錦濤主席は四月、日本の指導者の靖国参拝を理由に、首脳会談を拒否する方針を再確認した。
今回、中国側が外相会談に応じたのは、日本への内政干渉を続ければ日本国民の反感を招くだけだ、ということに気付き始めたからではないか。
さらに、強固な日米関係によって、中国の対日強硬姿勢が米国の対中姿勢を硬化させる結果を招いていることも無縁ではなかろう。
麻生太郎外相が李肇星中国外相に対し、「問題があるときほど、会わないと誤解を生む。問題があるからこそ、首脳同士が会った方がよい」と述べたのは当然である。李外相は首脳会談の必要性には同意したが、明確な見通しを示さなかったのは残念だ。
一方で李外相は日本の指導者の靖国参拝に触れ、「中国人民の感情を傷つけ政治的障害となっている」と述べた。韓国の潘基文外交通商相も「これ以上日韓関係の負担にならないよう賢明な対応をお願いしたい」と参拝中止を暗に要請した。
麻生外相は「戦没者への慰霊が目的」とする日本側の立場を説明した。双方の溝は埋まらなかったが、こうした違いが国家間に厳然と存在していることを十分認識することが必要だ。
国のために亡くなった人を慰霊することはどこの国も同じだが、どのような祀(まつ)り方をするかはその国の伝統や文化によって異なる。日本人の心のありようの問題に外国が介入するのは筋違いなのである。
今回の会談では安全保障の問題なども率直に話し合った。
麻生外相は十八年連続で二ケタの伸びを示す中国の軍備増強に透明性を求め、李外相は万里の長城を例示して防御であることを強調した。その上で双方とも関係改善で一致し、安全保障などでの対話を進めることになった。
中韓両国は首脳レベルでも違いは違いとして対話を行うという外交ルールを確立しなくてはなるまい。
[日中・日韓会談]「懸案があるからこそ対話が重要」(読売)
懸案があるからこそ、ハイレベルの対話が重要だ。1年ぶりの日中外相会談は、そのことを証明したのではないか。
中国の李肇星外相は、小泉首相の靖国神社参拝に、従来同様、批判の言葉を連ねた。その一方で、日中間の諸懸案については、対話を通じて解決を図る考えを強調した。
「中日関係は、和すれば双方に利益があるが、争えば双方が傷つく関係にある」という李外相の発言が示すように、地域の平和と繁栄には日中関係の改善が重要との認識からだろう。
中国の軍事力増強について、麻生外相が「透明性と信頼醸成が必要」と指摘した。李外相は、2002年以来中断している外務次官級による安全保障対話を早期に再開することや、防衛交流を促進させる考えを表明した。
東シナ海の係争海域で中国が一方的にガス田開発を進めている問題では、緊急事態の際の「通報メカニズム」を整備することで合意した。
北朝鮮の拉致問題では、中国は従来、日朝間の問題との態度だった。だが、麻生外相の協力要請に、李外相は「重要性に留意し、理解する」と応じた。
日中間の懸案を取り除いて緊張を解きほぐし、エネルギー・環境分野をはじめとして協力・交流を拡大することが中国の国益にかなう――。こうした判断が、国際会議を利用しての外相会談につながったのだろう。
だが、外相の相互訪問という本格的な交流再開のめどは立っていない。首脳会談に至っては、昨年4月に行われて以来、途絶えたままだ。
中国の胡錦濤国家主席は3月末の「重要講話」で、靖国参拝中止が首脳会談再開の前提、との考えを表明している。
靖国参拝という一事で首脳会談の道を閉ざす姿勢を改めることこそ、「双方の利益」につながるのではないか。
同じことは日韓関係にも言える。
韓国の潘基文・外交通商相は、麻生外相との5か月ぶりの会談で、盧武鉉大統領が先に出した「特別談話」を「真摯(しんし)に受け止めて欲しい」と求めた。特別談話は、日本が竹島の領有権を主張する限り、「韓日間の友好関係は決して成立しない」という内容だ。
麻生外相は「領土問題はただちに解決するのは難しい話だ。互いの立場は立場として、国民の感情をあおらないように冷静に対応していくことが大事だ」と指摘した。その通りだ。
大切なのは、歴史認識や領土問題を2国間の関係改善の障害にしないようにする知恵だ。