【天声人語】2006年09月02日(土曜日)付
「美しい」という言葉は耳に響きがいいし、反対も唱えにくい。「美しい国へ」と言うからには、今の日本には美しくないところがあると考えているのだろう。
ちょwww鏡!!!!誰かデカい鏡持ってきて築地の本社前に設置して!!!
注)ソーラレイではありませn
安倍氏出馬 聞きたいことは多い
麻日新聞 素直に反省するべきではでも書きましたが、安倍氏の方が朝日新聞に問い詰めたいことが多いと思うよ?
【参考】
朝日新聞綱領
不偏不党の地に立って言論の自由を貫き、(ry
真実を公正敏速に報道し、(ry
これは素晴らしい皮肉ですね。
【天声人語】2006年09月02日(土曜日)付
新刊の著書の題を「美しい国へ」とし、立候補の記者会見では「美しい国日本」を繰り返す。安倍官房長官は、どうしても「美しい国」を自民党総裁選のキャッチフレーズにしたいようだ。
「美しい」という言葉は耳に響きがいいし、反対も唱えにくい。「美しい国へ」と言うからには、今の日本には美しくないところがあると考えているのだろう。
確かに現実の社会は生やさしいものではないから、美しくないところもある。その美しくない点は何なのかを明示し、どう美しくしてゆくのかが具体的に示されないと、「美しい」という言葉は空虚に響く。
安倍氏は『美しい国へ』(文春新書)で、政治家を「闘う政治家」と「闘わない政治家」に分けて見る、と書いた。闘う方とは「ここ一番、国家のため、国民のためとあれば、批判を恐れず行動する政治家」だという。
一政治家の意気込みとしては理解できる。しかし、「闘う政治家」が、どんな場合にも日本を「美しい国へ」導くとは限らないだろう。「国家のため」という旗印のもとで、悲惨な道をたどった国は少なくない。スパッとは割り切れないことについて、より悪くない選択をするのが政治家の務めではないか。歯切れの良い「二分法」は、時には危うさにつながる。
総裁選は、安倍氏が優勢という。戦いとしては、興趣は薄いかも知れない。しかし自民党は、05年分だけで157億余円の税金を政党交付金として受けている。それに見合うまっとうな論戦と選考とを示せないようでは、美しい、とは言えない。
安倍氏出馬 聞きたいことは多い
本命が名乗りをあげた。安倍晋三官房長官が自民党総裁選への立候補を表明し、谷垣禎一財務相、麻生太郎外相とともに3人の候補が出そろった。
だが、さあ始まり、という盛り上がりは見られない。安倍氏支持へと党内の大勢は雪崩をうち、政策など二の次、三の次、とにもかくにも「勝ち馬」に乗ろうというムードに覆われている。
だからと言って、この総裁選を消化試合で終わらせていいはずはない。
安倍氏の公約は、そのまま次期政権の国民への約束になる。論争を深めてこそ主張は鮮明になるし、安倍政権が生まれた時の政策の基本方向が定まっていくことにもなる。
なによりも、安倍氏に首相としての資質があるのかどうか、国民に明らかにする大切なチャンスなのだ。
その意味で、きのう発表された公約は期待はずれだった。わずか4ページという分量の少なさもあるが、抽象的な項目を並べた印象が強く、メリハリを欠く。
私たちが最も注目しているのは、公約で強調されている「新しい国づくり」で、安倍氏がどんな国家像を思い描いているのかということだ。
この点について、安倍氏は「戦後レジーム(体制)から脱却する」と語った。かなり思いを込めた表現のようだが、具体的に何から脱却し、どこへ行こうというのか。これまでの発言からすると、不安を感じざるを得ない。
よもや戦後民主主義の歩みを否定するものではなかろうが、それをどう評価し、何を改め、何を継承するのか、明確に語ってもらいたいと思う。
「脱却」の具体策に挙げたのは新たな憲法の制定だ。「憲法は占領時代に作られた。私たち自身の手で新しい憲法を書こう」と呼びかけた。尊敬する祖父・岸信介元首相譲りの「自主憲法」「占領体制の清算」なのだろうか。
戦後体制という前に、戦前の歴史をどう見るかをまず聞きたい。戦争責任などは「歴史家が判断することだ」と、これまで言葉をにごしてきたからだ。
首相談話などで植民地支配と侵略を反省し、謝罪してきた政府の歴史認識は継承されるのだろうか。
安倍氏はかつて「日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会」の事務局長をつとめ、歴史教科書のあり方を批判してきた。こうした考え方は、公約に掲げた教育改革にどう影響するのか。
この会は、歴史教科書の検定をめぐって近隣国に配慮するとした政府の「近隣諸国条項」を攻撃した。この条項は安倍政権では廃棄されるのか。
中国や韓国とは「信頼関係の強化」を目指すというが、こうした点を明確にしないままでは難しかろう。靖国神社参拝の問題をどう克服するのかを含め、具体的な方策を聞きたい。
20日の投開票まで、さまざまな討論会や記者会見が予定されている。安倍氏にただしたいことは山ほどある。
朝日新聞綱領
不偏不党の地に立って言論の自由を貫き、
民主国家の完成と世界平和の確立に寄与す
正義人道に基づいて国民の幸福に貢献し、
一切の不法と暴力を排して腐敗と闘う
真実を公正敏速に報道し、
評論は進歩的精神を持してその中正を期す
常に寛容の心を忘れず、
品位と責任を重んじ、
清新にして重厚の風を尊ぶ。