「日本の男子サッカーはすごく強いですね。中国では女子サッカーの方が強いです」
中国の李肇星外相は麻生外相や記者団に、にこやかに語りかけた。3月に小泉首相の靖国神社参拝を強く批判していただけに、今回のソフトな語り口は中国の姿勢の変化を印象づけた。
中東のカタールで、両外相が初めて会談した。実に1年ぶりの日中外相会談である。
李外相は「日本の指導者」の靖国参拝自粛を求めたが、一方で、東シナ海のガス田開発、安全保障、文化交流など様々な分野で日本側と対話を促進し、協力することで合意した。
中国にとって、日本は経済でも安全保障でも極めて重要な国である。日本にとってもそれは同じだ。
中国は首相の靖国参拝に文句を付けて首脳会談を拒否しているが、そのお陰で上納金を減らせれてはたまらないと言う思惑が見え隠れする。
首脳会談も外相会談もなかったこの1年でわかったのは、首脳会談が行われなくても二国間の関係には問題が生じないことである。だからこそ首脳会談を餌に靖国神社解体を釣ろうとする麻碑や中共は滑稽に見えるのだろう。
ともあれ中国がその態度を軟化させてきたことを歓迎したい。今回のように対中援助の停止を着実に進め、間違っても遺棄化学兵器処理費用という名目で数兆円規模の税金を毟り取られないように注意してもらいたい。
だが、ふたつの国の間に横たわる問題自体が解消されたわけではない。首相の靖国参拝を突破口に日本の政界再編を目論み、国内のマスゴミに中共擁護・日本政府批判記事書き立たせる構図は変わっていない。
麻生外相は自身の参拝について「個人の心情と公的な立場を踏まえ、適切に判断する」と述べた。これは慎重な姿勢などではなく、今まで何度と無く述べてきた靖国参拝に対する麻生氏の基本姿勢だ。
靖国問題は、日本マスゴミの偏向っぷりと中国の反日ナショナリズムを浮かび上がらせた。ともに日本に永劫の土下座を要求する基本姿勢である。
新たな時代の正常な日中関係を安定して発展させるためには、偏向報道の厳罰も含め、土下座外交推進派をどう黙らせるかが問われてくる。
その難しい課題に挑み、かじ取りをしていくことが次期首相に求められており、福田氏では土下座外交に逆戻りするだけだ。それが明らかになった一年でもあった。
この会談に先立ち、麻生外相は韓国の潘基文外交通商相とも5カ月ぶりに会談した。竹島周辺での日本の海洋調査計画で紛糾した排他的経済水域の境界線問題で、局長級交渉を6月に再開することになった。
こちらもまた、韓国の日本領土侵略を批判し、理路整然と数十年に渡る不法占拠状態からの脱却への、小さいけど第一歩になるのではないか。
首脳会談ができなくとも、関係改善に向けた実務レベルの対話が行われた。その流れを継続する為には、与党内の癌である媚中派議員を国民の手で断罪することが必要ではないか。
日中外相会談 1年の空白が動かした
「日本の男子サッカーはすごく強いですね。中国では女子サッカーの方が強いです」
中国の李肇星外相は麻生外相や記者団に、にこやかに語りかけた。3月に小泉首相の靖国神社参拝を強く批判していただけに、今回のソフトな語り口は中国の姿勢の変化を印象づけた。
中東のカタールで、両外相が初めて会談した。実に1年ぶりの日中外相会談である。
李外相は「日本の指導者」の靖国参拝自粛を求めたが、一方で、東シナ海のガス田開発、安全保障、文化交流など様々な分野で日本側と対話を促進し、協力することで合意した。
中国にとって、日本は経済でも安全保障でも極めて重要な国である。日本にとってもそれは同じだ。小泉首相が靖国参拝を続ける限り首脳会談は開けないものの、影響を最小限にとどめたいという点では両国の思惑は一致する。
首脳会談も外相会談もなかったこの1年でわかったのは、いつのまにか緊密にかかわり合うようになった両国関係の重要性である。だからこそ靖国問題で関係全体を壊してはならないという認識を互いに深めたのだろう。
ともに交流の推進に積極的な姿勢を見せたことを歓迎したい。合意した交流を着実に進め、さらに他の分野へも広げてもらいたい。
だが、ふたつの国の間に横たわる問題自体が解消されたわけではない。首相の靖国参拝をめぐって日中の感情がぶつかり、お互いのナショナリズムがかき立てられる構図は変わっていない。
麻生外相は自身の参拝について「個人の心情と公的な立場を踏まえ、適切に判断する」と述べた。慎重な姿勢を示したのも、双方の国内事情を頭においているからだろう。
靖国問題は、日中双方のナショナリズムの危うさを浮かび上がらせた。ともに世界の大国になった両国が競い合う時代に入ったことが背景にある。
新たな時代の日中関係を安定して発展させるためには、靖国問題の解決も含め、双方のナショナリズムをいかに管理するかが問われている。
その難しい課題に挑み、かじ取りをしていくことが両国首脳に求められている。それをわからせてくれた1年でもあった。
この会談に先立ち、麻生外相は韓国の潘基文外交通商相とも5カ月ぶりに会談した。竹島周辺での日本の海洋調査計画で紛糾した排他的経済水域の境界線問題で、局長級交渉を6月に再開することになった。
こちらもまた、政府間の対立を和らげ、対話を進める環境づくりに大きな役割を果たしたのではないか。
首脳会談ができないなかで、関係改善に向けた実務レベルの対話がともかく動き出した。いまは、その流れをさらに太くする努力を重ねるほかない。