いぁ、ぶっちゃけトヨタ私あまり好きじゃないですよ。
顔がないから。日産にしてもマツダにしてもホンダにしても、『メーカの顔』があるんですが、トヨタ車にはそれがあまり感じられない。
ただ、世界初のハイブリッドを量産化した実績を無視して、「売れるだけ売って、後は行政や利用者の責任、というのでは困る。」などと言うのはどうなんですか。
どうみても売れるだけ売ってあとは行政の責任、じゃないと思うんですけど。
企業の粉飾をただす目付け役が、企業と共に粉飾する役回りを演じていた。所属する公認会計士がカネボウの粉飾決算に加担していたとして、金融庁が10日、中央青山監査法人に7月からの一部業務の停止を命じた。監査する約5500社の中には、日本を代表する企業も含まれている。
その一つのトヨタ自動車はこの日、06年3月期の連結決算で売上高が21兆円余に達したと発表した。米フォード・モーターを上回り、来年の決算では米ゼネラル・モーターズを抜く可能性が強まったという。
世界のトップの位置が目の前だ。自動車の生産を始めてから約70年、国内生産の累計台数は、昨年までで日本の総人口に匹敵する1億2千万台余に達した。
終戦後には倒産の危機もあったが、その後は業績を伸ばし続けた。トヨタ車への支持と信頼を得るために、血のにじむような努力が続けられてきたことだろう。
その努力は今なお継続中だ。誰も採算が取れないと思っていたハイブリッドシステムの製造コストを抑えることで量産に成功し、環境問題に対して真っ向から勝負しているのは周知の事実だ。そのほかにも燃料電池や自動車のリサイクルなど、環境対策を率先して行っている。安全技術にしても、日々予防・衝突安全技術の開発・研究を続けている。
麻卑新聞はそんなトヨタの姿勢に対してこんな苦言を呈した。「売れるだけ売って、後は行政や利用者の責任、というのでは困る。」。麻卑はトヨタの姿勢のどこを見てそう言っているのか、理解に苦しむ。麻卑こそ、「販売店に売れるだけ売って、後は販売店拡販員の責任、というのでは強引な拡販員を送り込まれる読者が困る。」のではないか。
【天声人語】2006年05月12日(金曜日)付
企業の粉飾をただす目付け役が、企業と共に粉飾する役回りを演じていた。所属する公認会計士がカネボウの粉飾決算に加担していたとして、金融庁が10日、中央青山監査法人に7月からの一部業務の停止を命じた。監査する約5500社の中には、日本を代表する企業も含まれている。
その一つのトヨタ自動車はこの日、06年3月期の連結決算で売上高が21兆円余に達したと発表した。米フォード・モーターを上回り、来年の決算では米ゼネラル・モーターズを抜く可能性が強まったという。
世界のトップの位置が目の前だ。自動車の生産を始めてから約70年、国内生産の累計台数は、昨年までで日本の総人口に匹敵する1億2千万台余に達した。
終戦後には倒産の危機もあったが、その後は業績を伸ばし続けた。トヨタ車への支持と信頼を得るために、血のにじむような努力が続けられてきたことだろう。
その努力を認めた上で、あえて述べる。世界一の自動車会社になるということは、世界一多くの事故にかかわり、世界一大きな影響を環境に及ぼすことになりうる。その厳粛な立場を忘れてほしくない。事故や排ガスを減らす手だてを探り続ける、世界一重い責任がある。売れるだけ売って、後は行政や利用者の責任、というのでは困る。
奥田碩(ひろし)会長は一昨年、トヨタの弱みの一つとして「社員の間にあるおごり」をあげた。「急速な業績拡大は、傲慢(ごうまん)で成功におぼれる傾向が出るので注意したい」。トヨタの新しい目標と課題は、心の粉飾を戒める「自己監査」かも知れない。